じゃあ、おうちで学べる

本能を呼び覚ますこのコードに、君は抗えるか

読書感想文

Rust でも学べる関数型ドメイン駆動設計 - Domain Modeling Made Functional の読書感想文

はじめに なぜ 2026 年に、2018 年出版の本を再読するのでしょうか。正直に言えば、『Architecture Modernization』の翻訳作業で DDD の概念が頻出し、「分かったつもり」の理解では訳せなくなったからです。初読から 7 年。関数型の視点で DDD を説明する本…

AI時代に今からITエンジニアを目指す若者にオススメする10冊の本 2026年版

はじめに AIは、あなたが聞いたことにしか答えない。 聞かなかったことは、永遠に教えてくれない。あなたが何を知らないのか、AIは知らない。 2026年だ。AIに聞けば何でも教えてくれる。コードを書いてもらい、設計を相談し、ドキュメントを要約させる。便利…

2025年 俺が愛した本たち 非技術書編

はじめに 技術書編を書き終えて、ふと気づいた。あれだけ書いても、まだ語っていない本がある。仕事に直結しない本。読んでも生産性が上がらない本。キャリアに役立つかどうかわからない本。そういう本たちのことを、どこかで書きたいと思っていた。だから、…

書評や要約は「圧縮」ではなく「変換」であり、「変換」に価値がある。

タイトルがそのままゴールなのですがダラダラ書きます。 はじめに ある技術書の要約を読んで、「なるほど、この本の主張はこういうことか」と納得した。数ヶ月後、原著を手に取って驚いた。要約で「核心」とされていた部分は、実は本全体の一部に過ぎなかっ…

2025年 俺が愛した本たち 技術書編

はじめに 「今年読んで良かった本」という記事を書こうとしている自分に、ふと気づく。また書くのか。毎年書いている。誰に頼まれたわけでもないのに、12月になると決まってこの作業を始めてしまう。習慣なのか、義務感なのか、それとも単なる自己顕示欲なの…

「Postgres で試した?」と聞き返せるようになるまでもしくはなぜ私は雰囲気で技術を語るのか? — Just use Postgres 読書感想文

はじめに 「Just use Postgres」という言葉を初めて聞いたのは、いつだったか覚えていません。Twitter か Hacker News か、あるいは社内の Slack か。どこで聞いたにせよ、私の反応は決まっていました。「また極端なことを言う人がいる」と。 「それ、〇〇で…

生成AI時代に必要なコンサルタントの秘密

はじめに 生成AIの登場により、専門家の役割は根本から問い直されている。 知識はもはや希少ではない。誰もが、数秒で専門家のような回答を得られる。では、専門家の価値はどこにあるのか? この問いに、ジェラルド・M・ワインバーグ氏の『コンサルタントの…

『禅とオートバイ修理技術』を読んだ。

はじめに プログラマーとして働き始めて数年が経った頃、私は壁にぶつかっていた。コードは書ける。バグも直せる。でも、何かが足りない。毎日キーボードを叩きながら、「これでいいのか」という疑問が頭をよぎる。 そんな時期に、勉強会で出会った人が一冊…

缶つぶし機とソフトウェア移行技術 - Refactoring to Rust の読書感想文

はじめに ——あるいは、「知っている」と「理解している」の間 Rustのことは、知っていた。学習もしていた。実務でも使っていた。 でも、それは知っているつもりだった。 知ってるつもり 無知の科学 (ハヤカワ文庫NF)作者:スティーブン スローマン,フィリップ…

無限技術的負債 - Taming Your Dragon: Addressing Your Technical Debt の読書感想文

はじめに 「Taming Your Dragon: Addressing Your Technical Debt」を読み終えて、技術的負債という厄介な問題への理解が大きく深まりました。この本は2024年7月にO'Reillyから出版され、技術的負債というドラゴンの正体とその退治法について包括的に解説し…

現代システムの三体問題「技術」「組織」「戦略」を巡る戦い - Architecture Modernization の読書感想文

そう、どこなのか知ったら、世界が一枚の地図みたいに小さくなってしまう。どこなのか知らないほうが、世界を広く感じられる。 (引用:三体 黒暗森林〈上〉P152) はじめに 「Architecture Modernization」は、一見すると整然と並べられた章立てと体系的な解説…

アーキテクチャ設計の民主化とADR(Architectural Decision Records)による意思決定の未来 - Facilitating Software Architecture の読書感想文

年末年始の慌ただしい時期に、数ある選択肢の中からこちらの記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。 人生を定期的に振り返ることには、本書で取り上げられているADR(Architecture Decision Records)に通じる素晴らしさがあります。過去の決定と…

2024年 俺が愛した本たち 非技術書編(物語を除く)

この記事は、3-shake Advent Calendar 2024 6日目のエントリ記事です。 はじめに こんにちは、nwiizoです。2024年も終わりに近づいています。毎年恒例となった年末の読書振り返りの時期が来ました。今年はいつも以上に多くの本を読みましたが、その中でも技…

2024年 俺が愛した本たち 技術書編

この記事は、3-shake Advent Calendar 2024 24日目のエントリ記事です。 はじめに こんにちは、nwiizoです。2024年も残りわずかとなりました。年の瀬に差し掛かるこの時期、1年の歩みを振り返り、時の流れを見つめ直すことは、私にとって特別な意味を持って…

技術がなければ作れない、必要がなければ存在している資格がない - Platform Engineering: A Guide for Technical, Product, and People Leaders の読書感想文

プラットフォームエンジニアリングの本質と定義我に似せる者は生き、我を象る者は死す(本質を理解して創造的に学ぶ者は発展し、表面的な模倣に留まる者は衰退する)。 はじめに 「Platform Engineering: A Guide for Technical, Product, and People Leaders…

継続的デプロイメントの継続的な学習 - Continuous Deployment の読書感想文

自動化は私の忍耐力の限界を補完してくれます。 はじめに 本書「Continuous Deployment」は、継続的デプロイメントの実践に焦点を当てた包括的なガイドです。継続的デプロイメントは、ソフトウェアパイプラインを完全に自動化し、手動介入を必要としない手法…

ルールは現場で死にました - The Rules of Programming の読書感想文

本日は人生の数ある選択肢のなかから、こちらのブログを読むという行動を選んでくださいまして、まことにありがとうございます。 はじめに 正直に言えば、プログラミングのルール本には懐疑的だった。「Clean Code」も「Effective Java」も読んだ。読んだが…

すぐに役に立つものはすぐに陳腐化してしまうから方法ではなく設計の本を読む - API Design Patterns の読書感想文

あなたがさっきまで読んでいた技術的に役立つ記事は、10年後も使えるでしょうか。ほとんどの場合でいいえ この問いに真正面から殴られたのは数か月前、リリース前夜の「とりあえずこれで走らせよう」が翌朝に別サービスを巻き込む事故になったときでした。Sl…

@Hiroki__IT が目の前にやってきて私にIstioのこと教えてくれた。- Istio in Action の読書感想文

はじめに マイクロサービスアーキテクチャの台頭により、サービスメッシュ技術は現代のクラウドネイティブ環境において外せない選択肢の一つとなっています。 その理由は明確です。マイクロサービスに求められる非機能要件の多くは類似しており、これをアプ…

数字に振り回されず完璧を目指さない為に - Implementing Service Level Objectives の読書感想文

信頼性の追求というのは、決して完璧を求めることではありません。完璧な可用性を追求するのではなく、ユーザーの満足と、限りあるリソースのバランスを取ることこそが重要です。このバランスを取るための一つのツールが、SLO(Service Level Objectives)で…

知識のunlearningをちゃんとやる - Learning Go, 2nd Editionの読書感想文

はじめに Go言語の入門書として広く知られている"Learning Go"の第二版が発刊されました。第一版を読んだ際、Go言語のシンプルさと美しく整然とした構文に感銘を受けたものの、常に進化を続けているため、過去の知識にとらわれることなく、新しい概念や手法…

盲目的に始めないためのオブザーバビリティ実践ガイド - Cloud Observability in Actionの読書感想文

誕生日エントリー兼読書感想文です。 www.amazon.jp はじめに クラウドコンピューティングの普及とマイクロサービスアーキテクチャの台頭により、システムの複雑性が増大しています。そのような中で、オブザーバビリティ(可観測性)の重要性が高まっています…

もう一度読むObservability Engineering

はじめに 本書『Observability Engineering』は、複雑化の一途をたどる現代のソフトウェアシステムに立ち向かうための、強力な武器となる一冊であり本稿はその読書感想文です。Observability Engineering を今から知りたい方はもちろん、Observability Engin…

5年後には標準になっている可観測性のこと - Learning Opentelemetry の読書感想文

はじめに 本稿は、オープンソースの可観測性(Observability)プロジェクトである OpenTelemetry を取り上げた書籍「Learning Opentelemetry」の読書感想文です。従来の可観測性の課題であったデータの分断を解消し、トレース、メトリクス、ログなどの様々なテ…

なれる!SRE - Becoming SREで学んだこと

はじめに エンジニアとして就職する前に読んだ「なれる!SE 2週間でわかる?SE入門」の内容があまりにも厳しく、業界に就職するのが怖くなったことを覚えています。本の中に登場する中学生の少女にしか見えない凄腕のSE、室見立華さんのような人物は現実には存…

Platform Engineering on Kubernetes を読んでCloud Native の現在地を理解する

はじめに 近年、Kubernetesの採用が進む中、複数のチームが関わり、複数のクラウドプロバイダーへのデプロイを行い、異なるスタックを扱う組織では、その導入の複雑さが新たな問題となっています。本書 『Platform Engineering on Kubernetes』は、Kubernete…

データエンジニアリングの要諦の後ろ髪を掴む - Fundamentals of Data Engineeringを読んで

最強なデータ分析基盤は何か⁉︎多種多様なデータ分析基盤が、制約のない環境で競合した時… ビジネス用途に限らず、あらゆるシナリオで使用可能な「データ分析」で比較した時、最強なデータ分析基盤は何か⁉︎ 今現在最強のデータ分析基盤は決まっていない デー…

このSRE本がすごい!2024年版

はじめに 有用な知識の特性 Google SRE リソース Site Reliability Engineering: How Google Runs Production Systems The Site Reliability Workbook: Practical Ways to Implement SRE Building Secure and Reliable Systems: Best Practices for Designin…

2023年 俺が愛した本たち 非技術書編

この記事は、3-shake Advent Calendar 2023 21日目のエントリ記事です。 はじめに プログラマー脳 エンジニアのためのドキュメントライティング 達人プログラマー 第2版 スタッフエンジニア プロジェクト ヘイルメアリー サーキット・スイッチャー 可燃物 大…

2023年 俺が愛した本たち 技術書編

この記事は、3-shake Advent Calendar 2023 2日目のエントリ記事です。 はじめに 2023年がそろそろ幕を閉じようとしています。年末に差し掛かると、時間が流れる水のように止まらないことを感じながら、過ぎ去った一年を振り返るのは、私にとって欠かせない…