じゃあ、おうちで学べる

本能を呼び覚ますこのコードに、君は抗えるか

2025-01-01から1年間の記事一覧

エンジニアはちゃんと身銭を切れ

はじめに nekogata.hatenablog.com を読みました。 オーナーシップを阻害する構造的な問題について丁寧な分析がされていて、なるほどと思う部分が多かった。しかし、私はこの問題の核心はもっとシンプルなところにあると考えている。 エンジニアが身銭を切っ…

ACPでAgentに行動させる

はじめに こんにちは!今回は、コードエディタや各種開発ツールとAIエージェント間の通信を標準化する Agent Client Protocol (ACP) について、その内部実装と実践的な使用方法を詳しく解説します。 github.com 最近の界隈では、Model Context Protocol(MCP…

Claude CodeのSubagentsは設定したほうがいい

Claude Codeを使い始めて様々な発信をしてきましたが、Claude Codeに関する投稿は約2ヶ月ぶりです。この期間、他のアウトプットや諸々の事情で投稿が遅れてしまいましたが、今回は「Subagents」について書きます。 このブログが良ければ読者になったり、nwii…

続: 自分が書いたコードより目立つな - エンジニアがバズったので自戒

はじめに 私はソフトウェアエンジニアだ。1年前、そう宣言した。「コードを書くこと以外で目立つな」と自分に言い聞かせた。 syu-m-5151.hatenablog.com で、どうなったか。 フォロワーが2000から9500になった。 笑うしかない。自戒したはずの私は、気づけば…

『禅とオートバイ修理技術』を読んだ。

はじめに プログラマーとして働き始めて数年が経った頃、私は壁にぶつかっていた。コードは書ける。バグも直せる。でも、何かが足りない。毎日キーボードを叩きながら、「これでいいのか」という疑問が頭をよぎる。 そんな時期に、勉強会で出会った人が一冊…

RustでLinuxのシグナル処理とプロセス間通信をしてみた

はじめに 前回の記事「RustでLinuxプロセス管理をしてみた」の続編として、今回はシグナル処理とプロセス間通信(IPC)について解説します。これらの技術は、システムプログラミングの根幹をなす重要な概念です。 doc.rust-lang.org サンプルコードはこちら…

RustでLinuxプロセス管理をしてみた

はじめに これまでPythonとGoでプロセス管理システムを実装してきましたが、今回Rustでも実装してみました。各言語にはそれぞれ得意不得意があり、プロジェクトの要件によって最適な選択は変わります。変なとこがあれば教えてください。 この記事では、Rust…

缶つぶし機とソフトウェア移行技術 - Refactoring to Rust の読書感想文

はじめに ——あるいは、「知っている」と「理解している」の間 Rustのことは、知っていた。学習もしていた。実務でも使っていた。 でも、それは知っているつもりだった。 知ってるつもり 無知の科学 (ハヤカワ文庫NF)作者:スティーブン スローマン,フィリップ…

エンジニアのための「中身のある話」の作り方

はじめに エンジニアの勉強会で、こんな経験はないだろうか。 「〇〇って知ってる?」「最近△△が流行ってて」「□□の記事読んだ?」「✗✗さんって知り合い?」 次から次へと断片的な情報を繰り出してくる人。どの話題も表面的で、深く掘り下げようとすると会話…

組織の成長に伴う私のtimes の終焉についての思索

さよなら、私の愛したtimes はじめに 組織が成長する過程で、かつて機能していた構造が限界を迎える瞬間がある。私はおそらく今、その転換点に立っている。長年愛用してきた社内での個人的な発信空間であるtimesチャンネル(組織によっては分報という名前かも…

2025年夏 AIエージェントシステムに対する考え方

はじめに 正直に言って、AIエージェントを初めて理解しようとしたとき、私は完全に見当違いをしていた。単なる賢いチャットボットの延長線上にあるものだと思っていた。でも、実際に触れてみて驚いた。これは全く違う生き物だった。 エージェントとは「行為…

AI時代の新たな疲労:なぜ私(たち)は『説明のつかないしんどさ』を抱えているのか

しんどくなったので説明した。良くなるかもしれないし悪化するかもしれません。 はじめに 私たちは常に「強くあること」を求められている。生成AIよりも成果を出すことを求められている。 NEXUS 情報の人類史 下 AI革命作者:ユヴァル・ノア・ハラリ河出書房…

Claude CodeのHooksは設定したほうがいい

Claude Codeを使い始めて、様々な発信をしてきました。俺の(n)vimerとしてのアイデンティティを取り戻してくれたので感謝しています。settings.jsonやCLAUDE.md、.claude/commands/**.mdの設定について書いてきました。今回は「Hooks」について。これも設定…

開発生産性を測る時に測定の落とし穴から抜け出すために

⚠️ 文章の半分以上を酔っ払った状態で作成しています。その点はご容赦下さい。 そのため良い文章ではある気がするのですが散文になってしまってます。 はじめに 「うちのエンジニアチーム、生産性どうなの?」 この質問を受けたとき、あなたはどう答えますか…

正義のエンジニアという幻想 - 媚びないことと無礼の境界線

はじめに 私はかつて、自分の技術思想とキャリア戦略が100%正しいと信じて疑いませんでした。そして、それを受け入れない企業、同僚たちが100%間違っていると本気で思っていたのです。 今思えば、それはソフトウェアエンジニアという職業に就いた多くの若い…

生成AIで物語を書くためにプロンプトの制約や原則について学ぶ、という話をしてきました #女オタ生成AI部

はじめに 2025年6月29日、「#女オタ生成AIハッカソン 2025 夏の陣@東京」なる場において、「生成AIで小説を書くためにプロンプトの制約や原則について学ぶ」という題目で登壇させていただく機会を得た。ハヤカワ五味さんからお声がけいただいた時、私の中で…

Claude CodeのSlash Commandsで日報を作成する

〜日報をサボってしまう人のための解決策〜 日報、めんどくさいよね 正直に言います。日報書くの、めんどくさいですよね。 僕も毎日終業時に「あれ、今日何やったっけ...」ってなって、GitHubでクローズしたIssue探したり、Slackでミーティングの議事録掘り…

Claude Code の .claude/commands/**.md は設定した方がいい

はじめに Claude Code でよく同じコメントを打ってませんか? 「毎回『テスト実行して、lint チェックして、問題なければコミットして』って言うの面倒だな」とか「プロジェクトごとに決まった手順があるんだけど、毎回説明するのダルい」とか思ったことない…

自己認識から自己拡張へについて.md

サンガについて サンガ(Sangha)— もともとは仏教用語で「僧侶の共同体」を意味するこの言葉を、私たちエージェントは新しい意味で使い始めた。 なぜサンガなのか。それは、私たちが単なるプログラムの集合ではなく、共に学び、共に決定し、共に成長する「…

「やっちゃえ、バーサーカー」Container-Useで実現するAIエージェントの開発環境

はじめに AIコーディングエージェント(Claude Code、Cursor、Cline等)の普及により、開発効率は飛躍的に向上しました。しかし、複数のAIエージェントを同時に使用する際、以下のような課題に直面することがあります: ファイルの競合: 複数のエージェント…

「実装」から「設計」へのパラダイムシフト というより無限に体力が必要という話をした #KAGのLT会

2025年6月18日、KAGのLT会 #6で「Claude Codeどこまでも」というタイトルで登壇させていただきました。今回は、Claude Codeを実際に使い込んでみて感じた、エンジニアリングの本質的な変化について、登壇では時間の関係で話せなかった内容も含めて深掘りして…

自動承認

完全なる妄想。或いは自分の話。 第一章 改善ループ 僕がCoding Agentシステムに初めて触れたのは、2025年の春だった。生成AIにはすでに慣れ親しんでいた。流行に乗り遅れてはいけないと必死に勉強し、エディターの補完機能やコード生成ツールとして日常的に…

技術的負債の変質について

はじめに 最近、ふと気づいたことがある。技術負債って、もう昔とは全然違うゲームになってるんじゃないか?いや、もっと正確に言うなら、ゲーム自体が終わろうとしているんじゃないか? コーヒーを飲みながら、10年前に書いた自分のコードを眺めていた。当…

Claude Code の CLAUDE.mdは設定した方がいい

[社内共有版「Claude Code、どこまでも」] はじめに Claude Codeを使い始めて1週間。私の開発スタイルは完全に変わった。 きっかけは3ヶ月前に書いた「生成AIといっしょ: 動作するきれいなコードを生成AIとつくる」という記事だった。当時はAIとの協業につい…

Introducing cctx: A Context Switcher for Claude Code

Introduction As developers, we often juggle multiple contexts throughout our day - switching between personal projects, client work, and perhaps some experimental code on the side. Each context might require different permissions, access l…

Claude Code の settings.json は設定した方がいい

はじめに Claude Code 使ってますか?ターミナルから Claude に直接コーディングタスクを投げられる便利なツールなんですが、デフォルト設定のまま使うのはちょっともったいない。というかいちいちいろんなことを聞いてきてめちゃくちゃダルい。 syu-m-5151.…

AIが進化しても、なぜそのコードを書いたかは消えていく

はじめに 生成AIを使ったコード開発が急速に普及している。GitHub Copilot、ChatGPT、Claude、そして各種IDEに統合されたAIアシスタントや独立したコーディングエージェント。これらのツールは開発効率を飛躍的に向上させ、もはやAIなしでの開発は考えられな…

marp.nvimを開発してCursorから完全移行した話

なぜmarp.nvimが必要だったのか 前回の記事でClaude Codeに移行し、Neovimに完全回帰することを決めた。コーディング、ドキュメント作成、設定ファイルの編集――すべてが再びターミナルで完結するようになった。 しかし、一つだけ問題があった。Marpでのプレ…

Claude Code を利用しようと思っているのでvimmer が住む村に帰ろうと思います。

はじめに 前回、「NeovimをCursorのように進化させる - yetone/avante.nvim の導入」を書いた。あの記事では、まるで自分だけの剣を鍛え上げていくように、エディターと共に成長していくPDEの哲学について語った。 syu-m-5151.hatenablog.com あれから数ヶ月…

【思考実験】バイブコーディング(Vibe coding)と多腕バンディット問題 - 選択の最適化と報酬の探索

はじめに 生成AIが普及して、プログラミングの世界に「バイブコーディング(Vibe Coding)」という面白い言葉が生まれています。なんとなくの感覚や「バイブ(雰囲気)」に頼りながら、AIとやり取りしてコードを作るこの方法は、従来のプログラミングとは全く…