じゃあ、おうちで学べる

本能を呼び覚ますこのコードに、君は抗えるか

2025年版 私がAIエージェントと協働しながら集中する方法

集中できなくなった 何かがおかしい。 AIエージェントを使い始めてから、自分が壊れていくのを感じていた。以前は4〜5時間ぶっ通しで集中できた。コードを書き始めたら、気づいたら夕方になっていた。あの没入感。あの充実感。それが、完全に消えた。 30分も…

実力とは“最悪の自分”が決める

はじめに 私たちは「実力」という言葉を履き違えています。 特に私がそうでした。様々な人の助力で得た結果、たまたま条件が揃って出せた最高到達点を「自分の実力」だと勘違いしていました。そして、その水準に届かない日々の自分を見て、「なんでもっとで…

技術広報はちゃんとなめてやれ(技術広報をなめるなを読んで) 

この記事は、whywaita Advent Calendar 2025 8日目のエントリ記事です。 whywaita Advent Calendar 10周年ということで、自分もwhywaitaとの出会いと10年という節目を掛けて何か書きたいと考えたのですが、うまいネタが思いつかず。とはいえ、whywaitaと出会…

おい、類推するな

この記事は、Rust Advent Calendar 2025 6日目のエントリ記事です。 はじめに 「それって、○○みたいなものですよね」 私は、この言葉に何度救われてきただろう。新しい概念を理解するとき。誰かに説明するとき。問題を解決するとき。類推は、私の思考の基盤…

RustでOWASP API Security Top 10を体験する(後編):リソース制御と攻撃検知

この記事は、Rust Advent Calendar 2025 6日目のエントリ記事です。 はじめに 前編からの続き ← API1 (BOLA), API2 (Broken Authentication), API3 (Mass Assignment)の解説はこちら 前編では認証・認可の基礎とデータ保護について解説した。後編では、リソ…

RustでOWASP API Security Top 10を体験する(前編):認証・認可の基礎とデータ保護

この記事は、Rust Advent Calendar 2025 5日目のエントリ記事です。 はじめに 先日、あるプロジェクトのコードレビューで「このエンドポイント、認証は通ってるけど認可は大丈夫か」と聞いたら、「認証してるから大丈夫でしょ」という返答が返ってきた。 そ…

おい、努力しろ

はじめに 「おい、がんばるな」という言葉を書いた。あの文章を読み返して、私は少し後悔している。 syu-m-5151.hatenablog.com 言いたいことは分かる。がむしゃらに頑張ることが思考停止になる。忙しさが逃避になる。持続可能性が大事だ。それは正しい。私…

生成AIエージェントによるブログレビュー環境の構築(下)

この記事は、3-shake Advent Calendar 2025 3日目のエントリ記事です。 上巻の振り返り 上巻では、Commandsを使ったブログレビュー環境の基礎を説明しました。 /deep-thinking-prompt で書く前に深く考える /blog-quality-review で6つの観点からレビューす…

おい、がんばるな

はじめに 先日、久しぶりに会った友人に言われた。 「なんか最近、顔が疲れてない?」と。私は「まあ、仕事が忙しくて」と答えた。友人は「頑張ってるんだね」と言って、ビールを一口飲んだ。 頑張ってる。 その言葉を聞いた瞬間、なぜか胸のあたりがざわつ…

生成AIエージェントによるブログレビュー環境の構築(上)

この記事は、3-shake Advent Calendar 2025 2日目のエントリ記事です。 はじめに ブログを書いては直し、また直す。同じ文章を何度も触っていると、客観的な判断ができなくなってくる。「これで本当に伝わるのか?」という疑問だけが残る。 コードにはレビュ…

「Postgres で試した?」と聞き返せるようになるまでもしくはなぜ私は雰囲気で技術を語るのか? — Just use Postgres 読書感想文

はじめに 「Just use Postgres」という言葉を初めて聞いたのは、いつだったか覚えていません。Twitter か Hacker News か、あるいは社内の Slack か。どこで聞いたにせよ、私の反応は決まっていました。「また極端なことを言う人がいる」と。 「それ、〇〇で…

おい、本を読め

はじめに 私は本を読むのが好きです。朝、コーヒーを淹れて、ソファに座って、ページを開く。その時間が好きです。物語の中に入り込んで、登場人物の人生を追いかけ、著者の思考を辿り、知らない世界を覗き見る。ただ、それが楽しいんです。 でも、誰かに「…

Fish Shell の abbr で使う。キミが好きだよ、エイリアス

はじめに ターミナルで作業をしていると、同じコマンドを何度も入力することがありますよね。git checkout -b feature/new-branch や kubectl get pods --all-namespaces のような長いコマンドを毎回タイプするのは面倒です。 多くのシェルでは「エイリアス…

たぶん、読んでない

1 「ねえ、今年、何冊読んだ?」 秋だか冬だかよくわからない曖昧な気温の日の帰り道、奈々子が突然そう聞いてきた。駅までの道はいつも通り混んでなくて、コンビニの前にだけ人が固まって、誰もがスマホを見ていた。私もその一人だった。 「え?」 「本。…

おい、対話しろ

はじめに 会議室の空気が、徐々に重くなっていくのを感じました。「この設計、拡張性に問題があります」。若手エンジニアのAが言いました。声には確信がありました。「いや、今の要件を考えれば、これが最適だよ」。ベテランのBが即座に返します。口調は穏や…

上手に待つ技術:Rust Edition 2024で学ぶ非同期処理入門

はじめに プログラミングにおいて「待つ」処理は避けられません。サーバからのレスポンスを待つ、データベースの処理が終わるのを待つ、ファイルの読み込みが完了するのを待つ——この「待ち時間」の使い方が、プログラムの性能を大きく左右します。 非同期処…

おい、つなげろ

はじめに 数年前、私は大きなプロジェクトに取り組んでいました。SREとして、メール配信システムの大規模な障害に直面していました。毎日数百万通のメールを処理するシステムが、突然、配信遅延を起こし始めました。遅延は徐々に悪化し、やがてメールが数時…

おい、言語化しろ

はじめに 「言語化」という言葉を聞くたびに、私は少しだけ居心地が悪くなる。この感覚に初めて気づいたのは、数年前の、ある夏の午後だった。後輩エンジニアとの1on1で、私は彼にコードレビューのコツを教えようとしていた。モニターに映るコードを指差しな…

自動選択と成長

配属から八年。僕はチームリーダーになっていた。 ある日、後輩の山田が興味深いことを言った。 「先輩って、いつもパッと2つか3つ答えますよね。なんでちょうどそのくらいなんですか?」 確かに。APIが遅ければ「キャッシュかインデックス」。バグが出れば…

おい、内省しろ

はじめに 会社のデスクで、モニターを二つ並べて仕事をしている。左の画面には誰かが書いたコード、右の画面には自分が今書いているコード。他人のコードを読んでいると、時々分からなくなる。この人は何がしたかったんだろう、って。変数の名前から推測して…

おい、冷笑すんな

はじめに SNSを開けば、今日もまた誰かが何かに本気だ。 新しい技術やフレームワークに興奮するエンジニア。最新のビジネス書を読んで「人生が変わった」と叫ぶビジネスパーソン。世の中の理不尽に憤慨し、世界を変えようと声を上げる活動家。生成AIの新機能…

スタンドオフに学ぶ非同期プログラミング - 待ち時間を無駄にしない技術

はじめに 最近、自分が書く文章が妙に真面目というか、ちゃんと役に立つことばかり意識していることに気づいた。もちろんそれは悪いことじゃないと思う。でも、たまには「これ、本当に誰かの役に立つのかな」と自分でも首を傾げるような文章を書いてみたくな…

おい、スマホを置け

はじめに 「本が読めない」――多くの人がそう言います。それも、決して能力の低い人たちではありません。仕事は速く、正確で優秀な人たちです。それなのに、本が読めない。数ページで集中力が切れてしまう。気づくとスマホを見ている。「昔は読めたんですけど…

おい、一つずつやれ

はじめに 「今日も、何もできなかった」。夜の部屋で、私はその言葉を呟く。また。今日も。 仕事をしなかったわけではない。むしろ一日中、何かをしていた。画面を見つめ、キーボードを叩き、メッセージを返し、タブを切り替え続けた。体は疲れている。目も…

おい、部屋を掃除しろ

はじめに どれだけ技術を学んでも、どれだけ正しいプロセスを知っていても、燃え尽きてしまったら意味がない。才能ある若者たちが最初は誰よりも速く理解して、誰よりも多くのコードを書いていたのに、数ヶ月後には姿を見せなくなる。「疲れた」と言って離れ…

言葉にしない限り、『なんか』は永遠に巨大な壁であり続ける

はじめに ワークショップが始まる三十分前、会場の隅で、一人の若者がノートPCの画面を凝視していた。 ブラウザには二十を超えるタブが開かれている。Dockerの公式ドキュメント、Kubernetesの公式リファレンス、Qiita、Zenn、個人ブログ。静かな会場に響くの…

近すぎず、遠すぎず - コードの結合度とちょうどいい距離の測り方

はじめに 人間関係が数値化できればなぁって思ったこともありますか?僕はあります。「この人とは、ちょうどいい距離感だな」とか、「もうちょっと親しくなりたいけど、近づきすぎると息苦しいかもしれない」とか。そういう、言葉にしづらい感覚を、もし数字…

構造的類似性を捉える技術 - similarity-rsで学ぶAST-basedコード解析の実装

github.com はじめに コードベースが大きくなるにつれて、似たようなコードが散らばっていることに気づく瞬間がある。「あれ、これ前にも書いたような...」そう思いながらコードを眺めるのだけれど、変数名が微妙に違っていたり、処理の順序が少しずれていた…

ソフトウェアエンジニアにおける才能という幻想、あるいは成長を阻む最大の敵について

はじめに 「才能がない」と言われたことがあるでしょうか。それとも、友人や知り合いと自分を比べて、自分で自分にそう言い聞かせたことがあるでしょうか。 学生の頃からエンジニアを志してきた私は、コンテストで優秀な成績を残す人たちを目の当たりにして…

技術力に優劣はある(「技術力に優劣はない」を読んで)

sizu.me はじめに 先日、「技術力に優劣はない(技育などに参加している学生に向けて)」という記事を読みました。技育に参加する学生たちへの励ましのメッセージで、技術との向き合い方の多様性を認め、コミュニケーション力の重要性を説き、相互リスペクト…