はじめに
Hacker News の「Show HN」は、自分が作ったものを開発者コミュニティに紹介できる場だ。しかし、ただ URL を貼れば良いわけではない。明確なルールがあり、それを守らないと投稿が埋もれたり、他のユーザーから通報されて非表示になることもある。
この記事では、Show HN のルールを読み解き、効果的な投稿を作成するまでのプロセスを解説する。
Show HN とは何か
Show HN は Hacker News 内の特別なカテゴリで、自分が作ったものを他の人が試せる形で共有する場所だ。通常の HN 投稿がニュースや記事のシェアであるのに対し、Show HN は「触れるもの」を紹介する。
投稿が一定のポイントを獲得すると、トップバーの "show" ページに表示され、より多くの人の目に触れる。
ルールを正確に理解する
Show HN には明確なルールがある。公式ガイドラインから重要なポイントを抜粋する。
投稿できるもの
- ユーザーが実際に試せるもの(run on their computers or hold in their hands)
- ハードウェアの場合は動画や詳細な記事でも可
- 書籍の場合はサンプルチャプターでも可
投稿できないもの
- ブログ記事
- サインアップページ
- ニュースレター
- リスト記事
- その他「読むだけ」のコンテンツ
これらは「試せない」ため Show HN の対象外だ。通常の投稿として submit すべき。
その他の重要なルール
- 自分が関わったプロジェクトであること
- 議論に参加できる状態であること
- サインアップやメール登録なしで試せるのが理想
- 準備ができていないなら投稿しない(ready になってから来い)
- ランディングページや資金調達ページは NG
- 友人に upvote や comment を頼むのは禁止(組織的な票操作とみなされる)
- マイナーアップデート(Foo 1.3.1 is out)は NG、メジャーオーバーホールなら可
投稿フォームの構成
Show HN の投稿は3つの要素で構成される。
1. Title(タイトル)
Show HN:で始める必要がある- 80文字制限がある(超過するとエラー)
- プロジェクト名と一言説明を入れる
2. URL
- プロジェクトのリポジトリ、デモサイト、またはドキュメントページ
- ユーザーがすぐに試せる URL が理想
3. Text(オプション)
- URL を補足する説明文
- 何を作ったか、なぜ作ったか、どう使うか
- フィードバックを求めるポイントを明示すると反応が得やすい
効果的なタイトルの作り方
80文字という制限の中で、以下を伝える必要がある。
- プロジェクト名 — 何と呼ばれているか
- 何をするものか — 一言で説明
- 差別化ポイント(余裕があれば) — なぜこれが面白いか
タイトルのパターン
Show HN: [プロジェクト名] – [一言説明]
文字数を削るテクニック: - 冠詞(a, an, the)を省略 - "for" を "–" に置き換え - 形容詞を削る - 技術用語は略称を使う(もし一般的なら)
良いタイトルの例
Show HN: Helix – A post-modern text editor written in Rust Show HN: Zed – A high-performance code editor from the creators of Atom Show HN: DuckDB – An embeddable SQL OLAP database management system
避けるべきタイトル
Show HN: My new project that I've been working on for 6 months ← 情報がない Show HN: Check this out! ← 何かわからない Show HN: Tool v1.3.2 released ← マイナーアップデートは NG
Text(説明文)の書き方
Text は任意だが、書いた方が反応は良くなる。以下の構成が効果的:
1. 何を作ったか(1-2文)
I built a [種類] that [主要機能].
2. なぜ作ったか / 何が新しいか(2-3文)
既存ツールとの違い、解決した課題、採用した理論やアプローチ。
3. 使い方(1-3行)
Quick start: npm install -g mytool mytool init
ワンライナーで試せると理想的。
4. 主要機能(箇条書き、3-5個)
Features: - Feature A - Feature B - Feature C
5. フィードバックの呼びかけ(1文)
Would love feedback on [具体的なポイント].
「フィードバックください」だけでなく、何について聞きたいかを明示すると、具体的なコメントが得やすい。
実際の投稿準備プロセス
Step 1: ルールの確認
まず公式ガイドラインを読む。ルールは時々更新されるため、投稿前に毎回確認するのが安全。
Step 2: 素材の整理
- プロジェクトの URL
- README や説明文
- 主要機能のリスト
- インストール方法
Step 3: タイトルの作成
80文字制限を意識しながら複数案を作成。文字数カウンターを使って確認する。
Step 4: Text の作成
上記の構成に沿って簡潔に。長すぎると読まれない。
Step 5: 投稿タイミング
HN のトラフィックは米国時間の午前中(太平洋時間 6-10 AM)がピーク。日本時間だと夜〜深夜にあたる。
AI を活用した投稿準備
Show HN の投稿準備は、AI アシスタントとの相性が良い。
依頼の例
https://news.ycombinator.com/showhn.html のルールに沿って、 https://github.com/username/project を Show HN に投稿したい。 タイトル、URL、テキストを作成してほしい。
AI に依頼する際のポイント:
- ルールの URL を渡す — AI が最新のルールを参照できる
- プロジェクトの URL を渡す — README から情報を抽出してもらえる
- 文字数制限を伝える — 80文字制限など、具体的な制約を共有
AI が生成した案をそのまま使うのではなく、自分の言葉で調整することで、より自然な投稿になる。
投稿後の対応
Show HN では投稿者がコメントに返信することが期待されている。
- 質問には丁寧に回答
- 批判的なコメントにも建設的に対応
- バグ報告には感謝を伝え、対応する姿勢を見せる
投稿して放置するのは印象が悪い。数時間はコメントを監視できるタイミングで投稿しよう。
まとめ
Show HN への投稿は、単なる宣伝ではなく、開発者コミュニティとの対話の始まりだと思います。
- ルールを守る — 「試せるもの」を投稿する
- タイトルは80文字以内 — プロジェクト名 + 一言説明
- Text で文脈を与える — 何を、なぜ、どう使うか
- フィードバックポイントを明示 — 具体的な質問を投げかける
- 投稿後は対話する — コメントに返信する