じゃあ、おうちで学べる

本能を呼び覚ますこのコードに、君は抗えるか

4年勤めたGMOインターネット株式会社を退職します。

はじめに

2017年の春、私は新卒としてGMOインターネット株式会社に足を踏み入れました。早いもので4年と2ヶ月が流れ、今、私は新たな旅立ちのためにこの場を静かに離れています。共に過ごした多くの人々との出会い、そして別れ、仕事を通じて得た学びと成長に、心からの感謝を表します。直接お会いして感謝を伝える機会を持てなかった方々へ、遠くからこの文章を通して、私の感謝の意をお伝えしたいと思います。

入社時は緑の多い未熟者でしたが、GMOインターネットは私に広大な可能性の土地を提供してくれました。しかし、時間はあっという間に過ぎ去り、仕事の日々もいつの間にか終わりを告げています。会社での経験は、私にとってかけがえのない宝物となりました。今は、平凡な日々の中で得た働く喜びを、静かに味わっています。

報告

皆さんにお知らせしたいことがあります。新しい章が始まります。2021年6月1日から、コンテナネイティブ技術に特化したSRE支援事業、データ統合プラットフォーム事業、そして広告プラットフォーム事業を展開する株式会社スリーシェイクにて、ソフトウェアエンジニアとしての職務を開始します。

3-shake.com

新たな職場での仕事は、未知の街を探索する旅に似ています。新しい挑戦と出会いが私を待っています。これまでの経験や真実を証明することはできませんが、これは私の物語であり、私自身の視点から描かれています。ご興味のある方は、ぜひお読みいただければ幸いです。

振り返り

これは、人生を振り返る絶好の機会です。

会社での仕事内容

GMOインターネット株式会社では、ホスティングサービスの開発・運用、お名前.comを含む社内コンテナ基盤の開発・運用、エバンジェリスト業務に従事しました。これらに関する登壇資料や発表内容は、以下のリンクからご覧いただけます。

speakerdeck.com

入社まで

アルバイト時代にバックエンドエンジニアとして活動していたため、「プログラミングが多くできる会社に就職したい」と考えていました。面接ではTシャツとサンダルで参加し、若さゆえの無礼な態度を取ってしまいましたが、幸いにもGMOインターネットから内定をいただき、そこでのキャリアをスタートさせることに決めました。

入社直後

研修を終えて社内の多様なインフラを扱う部署に配属された私は、期待と不安を抱えながら新しい仕事を開始しました。当初の希望はOpenStackの開発部門で力を試すことでしたが、研修中の一部の行動が影響して予期せぬチームへ配属されることになりました。この変更は初めは私にとって予期しないものでしたが、今振り返ると、この配属が私のキャリアにおいて重要な転機となったことがわかります。当時、自分を受け入れると判断してくれた部長には感謝したいとおもいます。尊敬するメンターのもとでホスティングサービスの開発と運用を担当し、AnsibleやGo言語を使用した自動化プロジェクトに携わりながら、技術スキルだけでなくチームワークやコミュニケーションの重要性について深い理解を得ました。

この時期には、メンターから「システムやソフトウェアは、複雑なものではなく、単純な要素の集合体である」、「基本原理と基礎知識への深い理解の重要性」、そして「わかったふりの功罪」についての貴重な教訓を受け取りました。自信過剰でありながら、技術に対する私の理解は浅く、基礎知識には大きな隙間があることに気づかされました。メンターは、技術を深く磨き、知識を広げるためには、基礎から丁寧に学ぶことの重要性を強調しました。また、「わかったふり」をすることの危険性についても教えてくれました。表面的な理解では、深い洞察や実際の問題解決には至れず、長期的には自己成長を阻害することになるということでした。

この期間に学んだ教訓は、私のキャリアにとって非常に価値があるものでした。技術スキルの向上はもちろん、学ぶ姿勢や問題解決に対するアプローチが大きく変わりました。知識を積み重ね、基礎をしっかり理解することの重要性を学び、それが私の成長と向上に直結しました。メンターからの指導は、技術を学ぶことだけでなく、人として成長する機会も与えてくれました。挑戦と成長に満ちたこの時期は、私のキャリアにおいて忘れられない貴重な経験となり、現在の私を形作る上で欠かせない要素です。

辞メンター

「やめんたー」と呼びます。新卒2年目に突入した直後、私を導いてくれた尊敬するメンターが退職しました。彼が担当していた運用と開発業務を引き継ぐことになり、この経験を通じてドキュメントの管理と継続的な知識の共有の重要性を学びました。突然の役割の変化は、私に多大なプレッシャーを与えましたが、同時に自立と自己成長の機会を提供してくれました。各プロジェクトを通じて、中途半端な仕事が許されない環境で働くことの厳しさを実感しましたが、それが今の私のプロフェッショナリズムを築く基盤となりました。この期間は、挑戦的なタスクに一人で立ち向かう強さと、複雑な問題解決における洞察力を養う貴重な時間でした。

登壇とエバンジェリスト活動

外部での登壇やブログ執筆などを通じて得た認知は、私のキャリアに予想外の良い影響をもたらしました。これらの活動が社内での再評価につながることもありましたが、それ以上に重要だったのは、自分の考えや成果を明確に伝えるスキルが向上し、新たな機会が生まれることを実感したことです。このプロセスでは、自分の技術的な理解を深めると同時に、その知識をわかりやすく伝える能力も磨かれました。また、自分の成果を外部に発信することで、新たなコミュニティや個人とのつながりが生まれ、新しいプロジェクトへの参加や、未知の領域への挑戦といった機会をもたらしました。

この経験から得た学びは、技術者としての自己成長だけでなく、コミュニケーション能力の重要性にも気づかされました。自分の考えや成果を明確に伝え、他者と効果的にコミュニケーションを取ることで、予期せぬ機会を引き寄せることが可能になります。この現象は、計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)にも関連しています。この理論は、キャリアの発展において偶発的な出来事が果たす重要な役割を認め、予期せぬ機会を積極的に探求し、それを利用することで、人々が自分のキャリアを形成し、発展させることができると提唱しています。

この理論を通じて、私は自分のキャリアにおいて偶然の出来事や出会いがもたらす可能性を最大限に活用することの価値を理解しました。外部での活動を通じて得られた機会は、計画的ではないかもしれませんが、それらを積極的に受け入れ、自分のキャリアの一部として取り入れることで、想像もしていなかった道が開けることがあります。自分のスキルや貢献を適切にアピールし、外部の舞台でそれを証明することで、予期せぬ機会を引き寄せ、自身のキャリアを積極的に形成し、発展させることができるということを実感しました。外部での活動は、自己肯定感を高め、さらなる成長を促す強い動機付けになりましたが、それは同時に、社内外での様々な機会を生み出す重要な手段であることも示しています。

転職

なぜ辞めるのか?

ついに、GMOインターネット株式会社を離れるという私の決断について、皆さんにご説明する時が来ました。この重大な選択をするにあたり、私は多くの夜を悩み、自己反省の時間を過ごしました。私がこの場を去る主な理由は、自分自身の技術的な限界を感じたこと、家庭の事情、そして現在の組織内で私が抱いているビジョンを私の持っている能力で実現することの困難さを痛感したからです。ただし、これらの理由だけではなく、私のキャリアにおける新たな方向性を模索するという深い思いも、決断の背景にはあります。

私の決断は、現職に対する不満や批判から来たものではありません。GMOインターネットでの経験は、私のキャリアにおいて非常に価値あるものであり、ここで学んだこと、成長したこと、そして関わったすべての人々に対して、私は深い感謝の気持ちを持っています。しかし、私は自分自身に正直でありたいと思い、更なる成長と新しい挑戦を求めて、新たな一歩を踏み出す決意をしました。

転職に至る過程では、自分が真に情熱を感じる分野に焦点を当てること、そして自分のスキルセットをさらに深化させる機会を模索することが重要だと感じました。また、新しい環境で働くことにより、異なる視点から技術やビジネスについて学び、自身の知識と経験を広げることができると考えています。

私がGMOインターネットを離れるという決断には、語り尽くせないほどの複雑な感情が絡み合っています。この経験を通じて、私は自己成長のためには時に大きな決断が必要であることを学びました。このような決断をすることは容易ではありませんが、自分のキャリアパスを真剣に考え、自分自身にとって最善の選択を追求することの重要性を改めて認識しました。

転職に関する詳細や、私が今後どのような分野で働くことになるのかについての話を、興味のある方とは直接、または別の機会に深く掘り下げていきたいと思います。GMOインターネットでの時間は、私の人生の中で非常に特別な章であり、ここでの経験は今後の私のキャリアにおいても大きな財産となるでしょう。そして、将来的にこの場所で再び働くことがあるかもしれないという希望を持ちながら、新たな旅路に踏み出します。

syu-m-5151.hatenablog.com

まとめ

この報告は、私の人生の一冊の書籍における重要な章が終わりを迎える瞬間を象徴しています。GMOインターネット株式会社での日々は、私の人生の物語において、色彩豊かで意義深いページを埋め尽くしてくれました。これから先も、技術コミュニティーへの参加は続けていく予定です。舞台に立ち、私が学んだ知識や経験を共有し、さらに新しい学びを追求することで、技術者として、そして人としての成長を続けていきたいと思います。

私たちの再会は、思いもよらない形で、また思いもよらないタイミングで訪れるかもしれません。未来は予測不可能で、新たな出会いや経験が、どのような形で私たちの人生に影響を与えるかは誰にもわかりません。しかし、私はそれを楽しみにしています。GMOインターネットでの経験は、私のキャリアの土台を築き、新たな挑戦への自信を与えてくれました。そして、私の心の中では、この期間を通じて築かれた関係や経験は、美しい記憶として永遠に残り続けるでしょう。

さようなら、インターネットと共に過ごした青春の日々。あなたたちは私の心の中で、変わることのない美しい記憶として、いつまでも輝き続けます。新たな旅の始まりに際して、過去を振り返りながらも、未来への一歩を踏み出す勇気を持って、私は前進していきます。これまでのサポートと愛情に感謝しつつ、新しい章の幕開けを心待ちにしています。