はじめに
2024年2月5日夜の東京 外は雪が降っている。tmuxとの出会いは、新卒としての初めての職場でした。メンターがターミナルの管理において最初に紹介してくれたのがtmuxで、この出会いが私の開発効率と作業環境を大きく変革しました。tmuxの基礎を学んだ後、私は自分の開発環境をさらにカスタマイズし、tmuxを日々の作業効率化のために積極的に使い始めました。ここでは、私が実際に使っているtmuxの設定と、日常的に使うコマンドを紹介します。これらは、より快適なターミナル操作環境を実現するために役立ちます。
この過程で、tmuxはただのツール以上のものになり、私の開発作業における最適なパートナーになりました。tmuxを使いこなすことで、複数のプロジェクトを同時に管理する能力が向上し、長時間の作業も中断せずに続けられるようになりました。リモートワークが増えた今では、tmuxのセッション管理機能が特に役立っています。サーバーに接続した状態で作業を行い、一時的に他のタスクに切り替えても、再びtmuxセッションに戻れば瞬時に作業を再開できます。
tmuxを通じて、私はターミナル操作に関してプロフェッショナルな開発者としての成長していると実感しています。あとやっている感がとても出ているので好きです。
tmuxとは
tmuxは「ターミナルマルチプレクサ(Terminal Multiplexer)」の略称で、Linux系OSを中心に利用されています。このツールを使うと、一つのターミナルウィンドウ内で複数のセッション、ウィンドウ、ペインを効率的に管理することが可能になります。
- セッションの管理: 一つのターミナルで複数のセッションを持ち、それぞれ独立した作業スペースとして利用できます。仕事とプライベート、複数のプロジェクト間でセッションを分けることができるため、タスクの切り替えがスムーズになります。
- ウィンドウとペイン: 一つのセッション内で、複数のウィンドウを開くことができ、さらにウィンドウをペインと呼ばれる小分けにすることが可能です。これにより、同一画面内で複数の作業を並行して行うことができ、効率的なマルチタスクが実現します。
- セッションの維持: tmuxの最大の特徴の一つは、ターミナルを終了してもセッションが維持されることです。これにより、長時間かかるコマンドを実行中にログアウトしてしまったり、接続が切れてしまったりしても、作業が中断される心配がありません。
tmux設定のカスタマイズ
私の.tmux.conf
ファイルには、効率的なターミナル操作を可能にするための様々なカスタマイズが施されています。これらの設定を通じて、tmuxを自分にとって最適な作業環境に変えることができました。
プレフィックスキーの変更: デフォルト設定の
Ctrl+b
をCtrl+q
に変更しました。これは、より操作性の良いキーバインドに変更することで、他のショートカットキーとの競合を避け、操作のスムーズさを向上させるためです。キーバインドのカスタマイズ: vimを頻繁に使用することから、ペインの移動やリサイズをvim風に設定しています。これにより、キーボード操作の一貫性を保ちながら、直感的で迅速なウィンドウ管理を実現しています。
ペインの分割: よく使用する
|
キーでペインを縦に分割し、-
キーでペインを横に分割するように設定しました。これにより、柔軟かつ迅速に作業スペースをカスタマイズすることが可能になります。ステータスバーのカスタマイズ: ステータスバーには、現在のセッションの状態や時刻など、必要な情報を表示するよう設定しています。これにより、作業中に一目で状況を確認できるようになり、生産性の向上に貢献しています。
プラグインの利用:
tmux-resurrect
やtmux-continuum
などのプラグインを導入しています。これらのプラグインは、セッションの自動保存や復元を可能にし、長時間にわたる作業や一時的な中断からのスムーズな再開を支援します。
セッションの保存と復元は、プレフィックスキーに続けてCtrl+s
で保存、Ctrl+r
で復元することができます。これにより、突然のシステム停止や作業の中断が発生しても、簡単に前の状態に戻ることができます。
さらに、tmuxのプラグインエコシステムは非常に豊富で、tmux-pluginsのリストからは、あらゆるニーズに応える特別なプラグインを見つけることができます。自分の作業フローに合わせて、最適なプラグインを選択し、tmux環境をさらにパワフルで柔軟なものにカスタマイズすることが可能です。
よく利用するtmuxコマンド
tmuxを効率的に使用するためには、日常的に役立つコマンドを知っておくことが重要です。ここでは、特に重宝するコマンドを紹介します。
どんな時にでも味方になってくれるチートシートです。ちなみにチートシートには入れてないのですがprefix + e
で全てのペインの操作、prefix + E
でそれらの解除などもインフラエンジニアとしては非常に重宝します。
github.com
以下は、日々の作業で特に役立つコマンドです。
新規セッションの開始:
tmux new -s <セッション名>
コマンドで、特定の名前を持つ新規セッションを開始します。この機能を活用することで、プロジェクトやタスクごとにセッションを分け、作業を整理しやすくなります。セッションの一覧表示と切り替え:
tmux ls
コマンドで現在のセッション一覧を表示し、tmux attach -t <セッション名>
またはtmux a -t <セッション名>
で特定のセッションにアタッチします。これにより、複数のプロジェクトや作業を効率的に管理し、スムーズに切り替えることができます。ペインとウインドウの操作: tmuxでは、ペインの分割やウインドウの作成、移動、リサイズを柔軟に行うことができます。これらの操作をカスタマイズしたキーバインドで行うことで、必要に応じて作業スペースを自由に調整し、マルチタスク作業を効率的に進めることができます。
マウス操作の有効化:
set-option -g mouse on
コマンドにより、tmux内でのマウス操作を有効にすることができます。マウスでペインを選択したり、サイズを調整したりすることが可能になり、キーボードとマウスを組み合わせた直感的な操作が実現します。
これらのコマンドは、tmuxを使ってターミナル操作を効率化し、生産性を高めるための基本となります。tmuxをより深く理解し、活用することで、開発作業をより快適に、より効率的に行うことができるでしょう。
さいごに
tmuxとの出会いは、私の開発効率と作業環境を大きく変えただけでなく、インフラエンジニアとしての成長にも大きく寄与しました。日々の作業でtmuxを使いこなすことで、システムの監視、ログの分析、複数のサーバーへの同時操作など、インフラ管理の幅広いタスクを効率的にこなすスキルを身につけることができました。また、セッションの持続性は、長時間実行するプロセスの管理や、中断された作業の再開といった面で、インフラ作業の品質を向上させるのに役立ちました。
tmuxのカスタマイズ性と拡張性を活かして、個人の作業環境を最適化することは、単に作業を効率化するだけではなく、技術者としての視野を広げ、問題解決能力を養う機会となりました。tmuxを深く理解し活用することで、インフラエンジニアリングの知識を実践的に拡張し、より複雑なシステムと効果的に向き合う力を養うことができました。tmux は3.4 がリリースされており今でも進化を続けている。愛している。
tmuxは、単なるツール以上の存在となり、私の技術的な成長を支えてくれる貴重なパートナーです。これからもtmuxを活用し続けることでしょう。しかし、人は変わる。実はZellijやターミナルもMAC標準なものを利用しているがAlacrittyが気になっているので検証と導入を進めている。